経理のお仕事ABC

経理、財務、税務のお仕事について情報を提供します。

雑益、雑損失等の内訳書


科目、取引内容、相手先の名称・所在地、金額を記入する。
*科目別かつ相手先別の金額が10 万円以上のものについて記入する。
ただし、税金の還付金については、その金額が10 万円未満であってもすべて記入する

業種業態からみて通常発生する雑収入、雑損失のものは計上されているか
貸倒損失についての計上時期・内容は適正か

 

 

 

地代家賃等の内訳書


地代家賃の区分、借地(借家)の物件の用途・所在地、貸主の名称・所在地、支払対象期間、支払賃借料などを記入する。

 

<地代家賃等の内訳書のチェックポイント>
賃借物件の利用状況から費用としての損金計上は適正か

 

 

役員報酬手当等及び人件費の内訳書

・会社の役員報酬及び従業員の給与・賃金・賞与などの人件費の総額を記入します。

・役員報酬は個人別内訳を、代表者を筆頭にすべて記入します。

・役職名担当業務⇒代表取締役社長、代表取締役会長、専務取締役、取締役○○支店長、監査役など。

・氏名、住所⇒その役員の氏名、住所

・代表者との関係⇒本人、妻、長男、父など親族関係の場合のみ記入。親族関係がない場合は空欄。

・常勤・非常勤の別⇒常勤役員か非常勤役員か区別します。常勤役員の合計と「法人事業概況説明書」の「3 期末従事員等の状況」の常勤役員の人数と一致させます。

 

・役員給与計⇒その事業年度中に支給した、支給確定した報酬額を記入します。

この欄には源泉所得税の課税対象となる報酬額のみ記入して、非課税となる通勤交通費は含めないで記入します。

 

・使用人職務分⇒その役員が使用人兼務役員である場合、その使用人としての職務に係る報酬金額を記入します。残りの額は「使用人職務分以外」欄の該当する箇所に記入します。ここでの使用人兼務役員は、「役員のうち部長、課長、その他使用人としての職制上の地位を有し、かつ常時使用人としての職務従事する者」をいいます。

・定額同額給与⇒いわゆる月額金額の合計を記入します。損金算入される額を記入します。

・事前確定届出給与⇒その役員の職務につき、従業員賞与にならって、事前に税務署に届け出て支給する、損金算入される給与の額を記入します。

・利益連動給与⇒同族会社以外で、有価証券報告書により開示される利益等を基礎として算定される給与額を記載します。

・その他⇒損金不算入される額。使用人職務分以外のうち「定額同額給与」「事前確定届出給与」「利益連動給与」は法人税法上、損金算入されます。

・退職給与⇒その役員に支給される退職給与。

 

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・役員報酬手当⇒定時同額、事前届出、利益連動、その他を合算した額。

・給料手当→

・賃金手当→

 

 

 

 

<役員報酬手当等及び人件費の内訳書のチェックポイント>
役員報酬のうち、その役員の業務内容等からみて過大のものはないか
代表者等の家族で役員の者の報酬は適正か
損金経理の役員賞与について、損金不算入分として所得金額に加算すべきものはないか
使用人兼務役員について職制上の地位があるか
兼務役員中比準使用人に対する支給状況に照らして相当でない使用人分賞与(みなし
役員賞与)はないか
個人別に前期と対比し激増しているものはないか
報酬の総額は、定款または株主総会で決めた範囲内となっているか
役員退職金のうち過大なものはないか
日割計算による役員報酬の未払計上は自己否認されているか

 

 

 

売上高等の事業所別内訳書

・会社の売上高などの情報を各支店、営業所、工場などのすべての事業所を項目ごとに記入します。

・売上高の有無にかかわらず、すべての事業所を記入します。

・期末時点での従業員の総数が把握でき、地方税の均等割、分割基準算定に役立つ情報となります。

事業所の名称⇒「本社」、「○○支店」、「○○営業所」、「○○店舗」など

・所在地⇒その事業所がある所在地

・責任者氏名⇒「支点長」、「所長」、「工場長」、「店長」など

事業所の内容⇒「○○品の卸販売」、「○○品の製造」

・売上高⇒その事業所に帰属する売上

・期末棚卸高⇒その事業所で保管する、製品、商品、仕掛品、原材料など

・期末従業員⇒その事業所に所属する期末時点における従業員数

・使用建物の延面積⇒その事業所が使用している建物の総延べ床面積

 

・源泉所得税納付署⇒その事業所に帰属する従業員の源泉徴収した給与等の所得税は、その納税地の所轄税務署に納付します。

原則、源泉徴収の対象とされている給与の支払事務を取り扱う事務所がある事業所となります。「給与支払事務所等の開設届」を提出している事業所を記入します。

・摘要⇒期中に開設又は、廃止した事業所がある場合、その旨を記入します。

 

・「計」欄は、損益計算書の該当金額と一致するように記入する。

 

<売上高等の事業所別内訳書のチェックポイント>


事業所別にみて、売上高、期末棚卸高の少ない事業所に問題はないか

・期末従業員数、使用建物の延面積からみて売上高、期末棚卸高に問題のある事業所はないか

・売上収益計上基準に誤りはないか

・「売上高」と「期末棚卸資産」の水増しがないか、各事業所の売上高や棚卸資産の金額、従業員数、使用面積を比べて見ていきます。

 

 

土地の売上高等の内訳書

棚卸資産として保有している土地(土地の上に存する権利を含みます。)を売却した場合又は、土地等を仲介した場合に、作成します。

 

・取引金額の多額のものから各別に記入します。


・「区分」欄には、「売上」又は、仲介手数料」を記入します。

 

・商品の所在地・地目・総面積、売上(仲介)年月、売上先(仲介)の 氏名・所在地、売上(仲介)面積、売上金額(仲介手数料)、売上商品の取得年を記入します。

 

 

借入金及び支払利子の内訳書

・借入先ごとに、その名称と所在地、期末残高を記入していきます。
・法人・代表者との関係も記入します。
・期中の支払利息の額、その利率、借入理由、担保の内容(物件の種類、数量、平米数、所在地など)

・件数が多い場合は、50万円以上の相手先だけ記載し、それ以外は『その他○○件』としても構いません。
・役員、株主および関係会社においては、期末残高が50万円未満であってもすべて記載します。
・返済済で期末残高がない場合は支払利息、率のみ記載する。

・短期と長期を区別する。

 

<借入金及び支払利子の内訳書のチェックポイント>
役員、株主、関係会社等からの借入金については、その資金源に問題はないか。また、その借入金に係る利率は適正か
無担保で多額の借入れとなっているものはないか
預貸率は正常か
取引先からの借入金で不自然なものはないか
銀行借入金について、その銀行に預金口座を設けているか。また、その銀行に対する定期性預金等はあるか
保有預金に比較して借入金が多額ではないか
個別に前期以前と対比し、移動のないものはないか
支払利子、借入関係費用等から簿外借入金のものはないか
メーン銀行以外からの多額な借入はないか
代表者等からの借入金については、その資金出所が明確か
土地の売上高等の内訳書のチェックポイント
土地等の売却で土地重課税の適用を受けるものはないか
取得または譲渡の価額に異常のものはないか
土地等の譲渡に係る収益の計上時期は適正か
関係会社、代表者等への譲渡は、その価額が適正か
譲渡により累積損金不算入負債利子の額は、損金算入(申告調整)されているか

 

仮受金(前受金・預り金)、源泉所得税預り金の内訳書

取引先毎に相手先の名称、所在地、期末残高を記入します。

・仮受金について
内容が不明な現預金を預け入れた場合、最終勘定が確定するまでに一時的に用いる科目です。
決算時までに残らないようにするのが理想ですが、やむ得ない場合は残ってしまいます。

・前受金について
商品・製品の引き渡しやサービスの提供前に、内金、手付金などを受け取った場合に使用します。
実際にモノやサービスが完了したときに、売上に振り替えます。建設業会計の場合は「未成工事受入金」という勘定を使用します。


・預り金について
役員や従業員から一時的に金銭を預かっている状態で、将来その者に返金するかあるいはその者に代わって第三者が支払うべきものです。

預り金として、源泉所得税、特別徴収住民税、社会保険料など
預り保証金として、敷金や取引保証金など

『源泉所得税預り金の内訳』を記載する欄が内訳書の下にあります。
所得の種類の欄は、源泉所得税預り金となった要因を記入します。
例えば、
給与所得⇒給
報酬・料金⇒報
退職所得⇒退
利子所得⇒利
配当所得⇒配
非居住者等所得⇒非

ポイント
・仮受金は、一時的な借入金であるのに借入金に記載したくない場合が多い。そこが見られます。


仮受金(前受金・預り金)の内訳書のチェックポイント
仮受金、前受金として経理しているもののうち、売上等として収益に計上すべきものはないか
役員、株主、関係会社からの仮受金で不自然なものはないか
期末近くに発生した仮受金、前受金で不自然なものはないか
個別に前期と対比し、異動のないものはないか
期中減少のもので不自然なものはないか
仮受金の所在地の不明解なものはないか
長期間移動のない仮受、前受のものはないか
役員等からの仮受金については、その資金出所が明確か

<源泉所得税預り金の内訳のチェックポイント>
源泉所得税の預り金のうち、既に納付期限の到来しているものはないか