買掛金(未払金・未払費用)の内訳書
・「科目」欄には、買掛金・未払金・未払費用の別を記入します。
・相手先の名称・所在地、期末残高を記入します。
・すべての取引先を載せのが、ベストですが、取引先が多い時は期末残高が50万円以上の取引先を記載して、「その他 ○件」として構いません。
・50万円以上のものが5件未満のときは上位5件は記載して、残りは一括で記載します。
・未払配当金、未払役員賞与がある時は、一番下の欄に別途設けていますのでそこに記載します。
<買掛金(未払金・未払費用)の内訳書のチェックポイント>
・仕入金額の増減は、おおむね比例して増減しているか
・個別に前期、前々期と対比し、移動のないものはないか
・長期滞留買掛金のうち、支払不要になったものはないか
・買掛金相手先の住所地が旧住所地となっており、金額に異動がなく疑義のものはないか
・買掛金期末現在高のうち金額に端数のないもの等不自然なものはないか
・未払金、未払費用のうち損金引当の性質を有するものはないか(未確定債務のもの)
・未払費用のうち短期前払費用に該当するものはないか
・関係会社に対する買掛金で不自然なものはないか
・未払賞与は債務として確定しているか
・支払期限を経過した未払配当金はないか
・役員報酬を日割り計算で未払計上していないか
・前期と比較して特に大きな移動はないか
勘定科目内訳明細書 目次へ⇒
支払手形の内訳書
支払先、振出年月日、支払期日、支払銀行名、金額を記入する。
*一取引先に対する支払手形の総額が100 万円以上のもの(100万円以上のものが5口未満のときは期末残高の多額のものから5口 程度)については各別に記入し、その他のものについては一括して記入する。
<支払手形の内訳書のチェックポイント>
融通手形のものはないか
架空の支払手形はないか
支払期日までの期間が長いものはないか
書換手形や期日経過後の支払手形に異常の認められるものはないか
支払銀行名が取引銀行名に見当たらないものはないか
仕入金額の増減に比較して多額ではないか
手形振出年月日が一定時期に集中して発行されているものに不自然なものはないか
期末近くに振り出した手形の支払先との取引は正常か
毎月定期的に同額を決済しているものはないか
銀行預り手形の現物は確認されているか
期末現在の受取手形、割引手形は、残高証明書により確認されているか
非事業者に対して振り出した手形はないか
振出手形のうち簿外のものはないか
固定資産(土地、土地の上に存する権利及び建物に限る。)の内訳書
固定資産の種類構造・用途・面積・物件の所在地、期末残高、期中取得や処分の明細などを記入する。
「期中取得(処分)の明細」の各欄は、期末現在高がないものであっても期中において売却、購入又は評価換えを行った場合 に記入する。
<固定資産(土地、土地の上に存する権利及び建物に限る。)の内訳書のチェックポイント>
取得に附随して取得した権利金等は計上されているか
税法上の圧縮記帳制度を適用したものは適正か
借地権を設定したものについて、その計約の内容に従い、「無償返還の届出書」、
「地代改訂の届出書」等を提出しているか
土地等の取得価額には、取得のために要した仲介手数料、立退料等は含まれているか
期中取得または売却の土地等、建物の取引価額は適正か
役員、株主、関係会社間の売買価額は適正か
調達資金について不自然なものはないか
自己製作にかかるものの取得価額は正しいか
建物除却損のもので、土地の取得価額に振り替えるべきものはないか
除却資産の売却計上漏れのものはないか
各固定資産の利用状況から、その運用による収益は計上されているか
土地、建物を一括取得したときの価額の区分は適正か
「不動産等の譲受けの対価の支払調書」や「不動産等の売買の支払調書」など法定調書の作成上問題はなかったか
有価証券の内訳書
区分には、「売買目的有価証券」、「満期保有目的等有価証券」又は「その他有価証券」の別に「売買」、「満期」又は「その 他」を記入し、続いて期末残高の数量及び金額、期中増減の明細などを記入する。
「期中増(減)の明細」の各欄は、期末現在高がないものであっても期中において「売却」、「買入」、「増資払込」、「評価 換え」等を行った場合に記入する。
<有価証券の内訳書のチェックポイント>
評価替えのものは、特別な事実が生じたものであるか
評価損については、損金経理されているか
取引価額に取得のために要した手数料を含めているか
期中売却に係る損益は正しく計上されているか
自己株式の取得または譲渡について、その取引価額は正しいか
取引相場のない株式は適正な価額により取得されているか
株式譲渡に伴い譲渡益が重課されるものはないか
株式の記帳価額に誤りはないか
取得価額の修正計算(増資、株式配当、株式分割等による身代り株式の付替え)は、適正か
届出によった評価方法により評価されているか
棚卸資産(商品又は製品、半製品、仕掛品、原材料、 貯蔵品)の内訳書
「科目」欄には、商品又は製品、半製品、仕掛品(半成工事を含みます。)、原材料、貯蔵品、作業くず、副産物等のように記入 し、続いて品目、数量、単価、期末残高などを記入する。
実務的には、棚卸表を作成していて場合は、アイテムごとにまとめて記入したり、本社明細保管と記入してまとめる場合があ ります。
<棚卸資産(商品又は製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵品)の内訳書のチェックポイント>
貯蔵品、作業くず、副産物等は計上されているか
積送品、未着品、委託品、預け品等社外にある在庫のものは計上されているか
評価換えのものの価額は正しいか。また評価損については損金経理されているか
補修材料(補修部品)の棚卸はどうなっているか
正常品を不良品として評価していないか
季節商品の在庫は計上されているか
差益率を調整するために単価または数量を調節しているものはないか
下請業者への無償支給原材料は計上されているか
在庫回転率からみて、在り高が過少でないか
評価額、集計に違算、誤算はないか
加工賃は適正に加味されているか
預け在庫は計上されているか
見本品も計上されているか
仮払金(前渡金)の内訳書
相手先ごとに、名称、所在地、期末残高を記入します。
仮払金、前渡金、前払金、立替金、前払費用の勘定科目
法人・代表者との関係を記入。
発生原因となった取引に内容を記入
仮払金について
・『法人・代表者との関係』の欄がチェックされます。代表取締役や取締役、その家族、株主などが交際費や出張費などで多額であれば、要注意。
・仮払金の長期間の放置されていないかチェックされます。未精算の状態が長期間であれば、実質的に貸付金としてみなされてしまう。貸付による利息の認定をすることもあります。
・役員賞与とみなされて、損金不算入と源泉徴収漏れを指摘されてしまうおそれがあります。
・仮払金は不正や粉飾の疑いの目で見られやすい科目です。相手先が記載されていなと指摘を受けます。
前渡金について
本来の営業活動によって生じるものです。
商品や原材料などの仕入代金を前払いしたものです。
<仮払金(前渡金)の内訳書のチェックポイント>
仮払金中その実質が貸付金で貸付金利息を徴収しているか
仮払金の中の代表者等役員に対する分のその発生要因は何か
相手先の記載のない仮払金の発生内容は何か
前期以前からの仮払金で異動のないものはないか
前期から繰り越した大口仮払金の精算に異常のものはないか(特に対個人分)
株主および関係会社に対する仮払金の異動の激しいものはないか